shishouの独り呟き

アラフィフ、独身、派遣社員。薄給なのに趣味は金のかかるものばかり。そんな女の日常です。

シネマ歌舞伎「京鹿子娘五人道明寺」

昨日は午前中はあまりの体の重さに動けず、ボーッとしたまま出掛けましたが、夕方からマッサージを受けて少し回復し、その気持ちのいいまま寝ようと早めに床に就いたものの本をイッキ読みし、結局いつも通りに寝たものの、今日はカラダも軽く、爽快ねに目覚めました🙌

これはマッサージもそうですが、多分歌舞伎にドップリ嵌まったから、気持ち的にもスッキリしたのでは😃

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昨日はこれを映画館で鑑賞しました。
シネマ歌舞伎には珍しく、多くの人がいてビックリ👀
最近、本当に数えるほどの人しかいなくて、あの「ワンピース」や「やじきた」でさえその調子だったので不安でしたが、さすが玉三郎さん。確か初シネマ歌舞伎だった「天守物語」の時も多かった気がするので。

私は玉三郎さんはまだ一度した拝見したことがなく、しかも地味な女房役だったので、まだ艶やかな美しい姿を拝見したことがないのです。
この演目は、一昨年の年末に公演されたのですが、キャストを見て「あー観てみたい」と思ったものです。玉三郎さんは勿論、中村屋兄弟、更には梅枝くん、児太郎くんと中堅、若手の花形の期待の女形(勘九郎さんは立役ですが)が勢揃いとあっては、さぞ目移りするほど美しいだろうなと想像できたものです。

想像通り、どなたも美しく、5人揃った場面は本当に艶やかでした。
しかも5人5様の美しさ。
玉三郎さんの次元の違う躍りはさることながら、他の4人もそれぞれ華麗に舞ってました。
勘九郎さんは、中村屋の公演を見る機会が多いせいか、何度も女形としても拝見しています。
この方の女形の踊りはとても美しい。
女性の繊細さと、立役らしいどっしりとした落ち着きと両方を兼ね備えた踊りです。
「春興鏡獅子」の弥生の躍りも素晴らしかったですし。
ただ…これは本当に個人的な意見になってしまうのですが、勘九郎さんの女形の白塗りの顔があまり好きではないんです😥何かどうしても男を感じてしまうと言うか。
特に今回は他のメンバーが何れも美しかっただけに、更に際立ちましたね💧
ただ、こればかりはどうしようもありませんからね。

七之助さん。
こちらは相変わらず美しい。
女形の役者さんでは、一番見ている方でありますが、年々女っぷりが際立ってます。
こちらは見た目も舞踊も女らしく、可憐さと大人っぽさと両方を演じられる素晴らしい女形さんになったなと。これからがますます楽しみです。
勘九郎さんとのコンビも息ぴったりで、いつか二人で「二人娘道成寺」してくれないかな、と思います。

梅枝くん。
数年前に初めて観た時、あまりの美しさに驚いた記憶があります。その時、彼はまだ20代半ばだったと思うのですが、年齢を感じさせない美しさと落ち着きぶり。
面長で古風なお顔立ちは、女形としてしっかり生かされてますよね。
舞踊は初めて拝見しましたが、お姉さまがたに負けず劣らず美しく、落ち着いてました。
これからますます、女形として磨きがかかるでしょうね。個人的には好きな役者さんなので(弟の萬太郎くんも好き)、楽しみです。

児太郎くんは、当時まだ22歳。
まさに大抜擢だったと思います。
でも、ここ1~2年の彼の演技を観ていると、玉三郎さんの眼力は決して間違ってなかったと。
まず、舞台度胸があります。常に堂々としてるイメージと言いますか。
そして、どんな役でも貪欲に取り組もうとしている。それが最近の活躍に生かされているのではないでしょうか。
お父様のアクシデントを乗り越え、まさに自力で成長していっている。
今回の舞踊にも、その良さが出ていたと思います。
もちろん、まだまだ改善しなくてはならない場面は他の役者さんよりはあると思いますが、彼ならそれを乗り越えていけると信じています。

この「娘五人道明寺」、この先もメンバーを入れ替えながらたまに公演して欲しいです。
玉三郎さんがお元気なうちに、一人でも多くの女形の役者さんに芸を伝授して、誰でも美しく踊れるように欲しいな、と。
数年後に菊之助さん、七之助さん、梅枝くん、壱太郎くん、児太郎くんあたりで観てみたい気がします。
菊之助さんはこれまで何度も玉三郎さんと二人娘道成寺で踊ってらっしゃいますし、壱太郎くんはまさに今、玉三郎さんと共演されてますしね。
もちろん玉三郎さんにも、お元気なうちは舞台に立ってもらいたいです。

合間に舞台裏の様子を映したのは悪いことではありませんでしたが、一部舞踊の途中でその様子が入ってる場面があり、そこは改善して欲しいなと思いました。一連の流れを壊さずに、舞台裏を映して欲しいです。
舞台裏の、玉三郎さんが皆を見守る視線が厳しくもあり、優しくもあって、全体的に緊迫感が伝わってきました。インタビューは、それぞれ個性が出ていて良かった。
勘九郎さんと七之助さんは淡々と、梅枝くんと児太郎くんは弱冠緊張の面差しだったのが印象的でした。

あと、亀三郎さん(現・彦三郎さん)と萬太郎くんの所化も良かったです。

新年から美しい舞台が、映画で観られて良かった。
いつか生で拝見できるといいな、と思います(最近こればかりだ)。