shishouの独り呟き

アラフィフ、独身、派遣社員。薄給なのに趣味は金のかかるものばかり。そんな女の日常です。

舞台「江戸は燃えているか」

先日、東京に遠征した時の舞台リポ、まずはこちらから。

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いつか観たいと思っていた三谷作品。
これまでも映画や舞台の映像では何度も拝見してますが、生ではこれが初めて。
昨年の「子供の事情」も観たかったのですが、日程的に観れず(その後WOWOWで観ました)、こちらは上手くタイミングが合い、観ることが叶いました。

幕末をテーマにした、笑い溢れる作品でした。
勝海舟西郷隆盛の「替え玉」と言うだけで、何か想像できますもの。
案の定、終始笑いっ放しでした。
新橋演舞場史上、もっとも笑えるコメディと言うのコピーも、あながち外れてはいない。
一部「ちょっとやりすぎ💧」と思うほどゴチャゴチャして不安になったシーンがあったものの、後半は少し落ち着き、最後はしっかり話を締めたあたりはさすが三谷さん。

あと、「子供の事情」もそうでしたが、キャステインク が見事。三谷さんは元々俳優さんを役に上手くはめるのに定評があるのですが、今回も皆さん個性を生かした役どころでした。

多分、獅童さん以外は初めて拝見する方ばかり。
何か映像とごっちゃになってる役者さんもいますが、初めての役者さんが多いので、楽しみにしてました。ちなみに私はビジュアルよりも、舞台映えするかどうかを重視します。

獅童さんはもう、持ち味120%、いやそれ以上かも(笑)かなり弾けてました。
歌舞伎でも、例えば納涼歌舞伎や中村座辺りで時おり弾けるのですが、今回は自由な雰囲気の中絶好調なほどぶっ飛んでいて、見ていて爽快なほど。
途中グタグタになる辺りも、ある意味らしいですし(笑)
それでも、魅せる時にしっかり魅せるのもこの人の良い所。
あと、立ち姿だけで様になるのも格好いい。
とにかく、元気になられて本当に良かったとしみじみ思いました。

その獅童さんの「替え玉」役はTOKIO松岡昌宏さん。テレビでは雰囲気や喋り方など似てるなと思ったのですが、個人的には物足りなくて消化不良ぎみだったかな。
まず、線が細い。そして存在感が薄かった。
まぁ役柄がそんな感じなのも多少あるけど、これは獅童さんが凄いのか松岡くんが物足りないのか。
私は松岡くんはテレビで見る方が好きかな。
演技も、特に前半は物足りなくて、さすがに後半は盛り返したけど、獅童さんの替え玉としては??でした。もう少し、松岡くんも獅童さんに食らいついて欲しかった。厳しくてごめんなさい。
でも、他のキャストが良かっただけに、特に感じたのです。

それとは対照的に、他の方々は良かった。
松岡茉優さん。数日前に体調を崩し、休演したので心配でしたが、そんな様子を微塵も感じず、獅童さんに負けじと弾けてました。
可愛さと生意気さと上手く使い分けて、娘のゆめちゃんを 全身で演じてました。
獅童さん程ではないけど、彼女もテンションかなり高めで、見ていて清々しいほど。

意外な所では、ずんの飯尾和樹さんがとても良かった。
結構重要な役どころを、笑いを上手く取りつつ上手く演じていました。役者さんとしてもいい味出してましたよ。いい意味で裏切られましたね。
西郷隆盛は誰が?と思ってたら、藤本隆宏さんが演じられてました(藤本さんは勝と替え玉のでくの二役)。この方はよく知らなかったのですが、元アスリートだそう。それ故に体格が良く、西郷にピッタリでした。

女中役の高田聖子さんと磯山さやかさんも対照的な、それぞれの持ち味を生かした演技をしてました。
ベテラン女中役の聖子さんはさすが、周りを上手く引き出しながら、所々にらしさを小出しにして、全体的に引き締めていました。三谷さんが頼りにしていたのも頷けます。確かに今回はベテランの役者がいないですからね。キャリアでは一番の実力派。
髑髏城の舞台と並行しての稽古は大変だったと思いますが、安心して見ていられました。
磯山さんは、若くてちょっと焼きもち焼きの女中役を元気一杯演じてました。
途中、テンションMAXの獅童さんとのアドリブのやり取りのシーンがあるのですが、毎回大変だなーと思った。なかなか頑張ってましたが、笑いが止まらなくってセリフが言えなくなったり。その時、他の出演者が物凄くリラックスした様子で見ているのもウケた。その様子が皆さん結構素で、茉優さんは途中で獅童さんに「緊張感なさすぎ」と注意されてました。

元アナウンサーの八木亜希子さんは、海舟の奥様役で、ちょっと天然のいわゆる空気の読めない役どころ。とても可愛らしく演じられてました。
声がよく通り、セリフが聞きやすいのはさすがですね。
元宝塚の妃海風さん(海舟の妹役)も、とても美しい歌声を披露していました。立ち姿の美しさ、所作などはこちらもさすが、と言った所。
宝塚の方は、本当に舞台映えしますよね。

その妃海さんの夫役を演じていたのが、田中圭さん。
実は秘かに楽しみにしてました。
テレビや映画では割とお馴染みで、そんなに目立つと言うわけではないけど、幅広い役を器用に演じるイメージのある役者さん。獅童さんたち相手にどんな演技をしてくれるのだろうと。
いやー、良かったです。
女性陣では聖子さんが上手くバランスを保ってましたが、男性陣ではこの方。
演技も、笑いをとる所はしっかり取り、真面目な所とか、あとシリアスなシーン(少し訳ありの役)もうまく演じ分けられていて、やっぱり器用な役者さんだなと思いました。袴姿も様になってましたし。
松岡くんとは対照的に、テレビで見るとちょっとふっくらしてるかなと言うイメージでしたが(ごめんなさい)、生で見るとちょうどいい感じ。意外と舞台映えしてました。少しだけですが、刀を使ったシーンもあり、そこでも問題なくこなしてました。
妃海さんとのツーショットが思いのほかいい感じでしたね。

弱気で、西郷から逃げてばかりの勝でしたが、ここぞと言うときにビシッと交渉を決め、最後は藩士らしい姿で、メデタシメデタシと言う展開で終わりました。
獅童さんも最後はビシッとカッコ良く決めてました。さすが歌舞伎役者、やる時はやります。
ある意味、獅童さんらしさ全開の舞台でしたね。
歌舞伎でもそう言うのをもっと観たいなぁ。

とにかく笑いっ放しで、何より舞台の上の役者さんたちが楽しく生き生きと演じられてたのが良かったです。
多分WOWOWでしてくれると思うので、また観たいです。

それにしても、1公演だけ茉優さんの代役をされた三谷さん。
結構出番あったし、どんな感じで代役をされたのか、本当に謎。想像できない。
見ていた方のツイートなどでは、かなり好評だったようなのですが。三谷さんってある意味凄いよね。
また観たくなるような舞台作ってください😌