shishouの独り呟き

アラフィフ、独身、派遣社員。薄給なのに趣味は金のかかるものばかり。そんな女の日常です。

平成中村座十一月大歌舞伎&金曜プレミアム「独占 中村屋ファミリー」

今年最後の歌舞伎観賞は、こちら。

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久々に平成中村座が浅草に戻ってきました。
やはり中村座の舞台は浅草が良く似合う✨
そして、勘三郎さんの面影がまだ色濃く残っているようです。

まずは、弥栄芝居賑(いやさかえしばいのにぎわい)。
こちらは今回の出演者総出のおめでたいお芝居と言うかご挨拶。
まずは中村屋に縁の深い扇雀さんと芝翫さんが登場。このお二人と、今回は残念ながら居ませんが彌十郎さんのお三方は中村屋に欠かせない存在で、本当にいつも有り難い限り。
その後、勘九郎さん七之助さん、そして勘太郎くん長三郎くんが登場。
もう長三郎くんから目が離せない。
何か見た人の話によると、かなりフリーダム状態らしく、確かにそんな様子も少し見受けられましたが(何と言ってもまだ子供だから笑)、それでも口上の時はちゃんとじっとしてましたよ。
もう、特番のあの落ち着きのなさを見ていたら、かなり我慢してるよなぁ、と感心したのですが、本番ではピシッと決めるあたりは凄い。
あと、お母さんの愛さんの言いつけをきちんと守っているのにはウケた。もう、口上を述べている人の顔をじーっと見てるんだもん。
ちなみに愛さんは、お話しするときは人の顔をちゃんと見るように、と言ったそうです。もちろん歌舞伎ではなくて、普段の生活で。
それに比べるとお兄ちゃんは微動たりともせず、とてもお行儀が良かった。
二人とも上手にご挨拶していました。
本当にお人形のように可愛くて、それを見守る勘九郎さん七之助さんや周りの方々も温かい。

その後は男伊達、女伊達が登場し、それぞれが一言ずつ口上を述べてました。
…そうだよね、このメンバーは皆、平成中村座で、勘三郎さんの元で大きくなったよね。
新悟くん児太郎くん福之助くん虎之助くん。
今回いないけど橋之助くん歌之助くんも。
彼らは中村座で育ったと言っても過言ではないです。
それぞれ成長したなぁ、そう思いながらまるで近所のおばちゃんのように見てました。
そして鶴松くん。
彼は勘九郎さんたちと共に、舞台で裃を着て挨拶していました。あの、鼠小僧の三太が…と思うと、感無量です。今回は3つの演目に出ているようですし、昨日も書いたけど、来年の浅草歌舞伎にも4演目に出るようです。まだまだ成長過程なので、更に飛躍して欲しいですね。
スペイン遠征ではかなり苦労されたようですね💧
でもまだ第一歩。
勘太郎くん長三郎くんが大きくなるまで、またどこかで演じて欲しいです。

そして「舞鶴五条橋(ぶかくごじょうばし)」。
こちらは舞踊劇。
牛若丸と武蔵坊弁慶の刀を使った舞です。
牛若丸の勘太郎くん、堂々とした踊りっぷり。
一人で花道から凛々しく登場して、舞台では巧みに踊り分け、演じていました。
とても7歳児のものとは思えないほど、素晴らしかった。
特番ではどうしても弟の天衣無縫な振舞いばかりが注目されてしまい、とても可哀想なのですが、きっと物凄い稽古してるだろうなと想像できます。
もちろんその様子も出ていたけど、あまりのしっかり者ぶりに、逆に心配になる程。
でもね…この前のブログに書きましたが、帰り道たまたま勘太郎くんに遭遇したのです。そこで付き人のお姉さんに見せる素顔は、7歳の普通の男の子👦そのものだったので安心しました。お兄ちゃんって損だよね。
お父さんの弁慶に負けず劣らずの熱演に、周りも拍手喝采でありました。
勘九郎さんももちろん素晴らしかった。
弁慶ってどうしても「勧進帳」のイメージが強いのですが、勘九郎さんの弁慶、なかなか迫力ありました。きっと「勧進帳」もいけると思います。
最後に花道から引っ込むシーン、えっ飛び六方するの??って感じの前振りでしたが、普通に走って引っ込んで行きました。いつか勘九郎さんの飛び六法、見てみたいなぁ。きっと似合うと思います。
この人にはやはり歌舞伎が似合います。
もう少し自分の色が濃く出れば、更にいい役者になるでしょう。

最後は「仮名手本忠臣蔵 祇園一力茶屋の場」。
忠臣蔵は初かと思ったけど、何か見たことあるような。でも、中村屋では初かな。
由良之助は芝翫さん。
襲名を経て、久々平成中村座に帰ってきました。
中村屋兄弟にとっても、この人の存在は大きいと思います。
華があるし、最近は風格も身に付いてきました。
一見遊びにうつつを抜かしているように見えて、実は目的があって仇討ちの機会を窺っている。そんな由良之助は、芝翫さんにピッタリ。

由良之助に書を渡す力弥役が、息子の福之助くん。今回大活躍でした。夜の部は全ての演目に出ているんですよね。
彼もこの一年で大きく成長しました。
今年色んな役を見せてもらいましたが、どれもそつなくこなしていますし。飄々としたイメージのお兄ちゃんに比べると、こちらは表情豊かで動きも無理なく軽やか。「棒しばり」の軽快な動きや、先月の「平家女護島」の堂々とした立ち廻りなどは、将来性を感じました。

お軽は七之助さん。
相変わらず美しい。
揚巻のような花魁もいいけど、この方には遊女や女房と言った役がよく似合う。
その兄平右衛門役は勘九郎さん。
久々に勘七コンビが見られて嬉しかったです。
先月、勘九郎さんは玉三郎さん、七之助さんは仁左衛門さんとコンビでしたからね。
それはそれでいいのですが、やっぱりこの二人は絵になる。

今年、勘九郎さんが大河撮影で歌舞伎の舞台から遠ざかり、七之助さんは数多くの方々の相手役として出演されましたが、やはり勘九郎さんが一番いいと思いました。
来年もしばらく他の方の相手が続くと思われますが、女形にとって相手役に抜擢されるのはとても光栄なことで、七之助さんにとっても嬉しいことだと思います。それはそれでいいのですが、ずっと兄弟で相手役を演じて欲しいです。

感想の合間に少しテレビの事も書きましたが、改めて見て、色んな事を感じました。
まず、中村屋兄弟は思ってる以上に周りから温かく見守られているなと思ったこと。
先月の襲名でも、大勢の役者さんが出演してくれました。そして、何れも二人の役者としての成長を大きく支えてくれてることをヒシヒシと感じました。

比べたら悪いけど、海老蔵さんに比べるととても恵まれているなと思いました。
同世代で、父親を亡くした時期も、子供たちの年代も同じ。
海老蔵さんはたった一人で成田屋を支え、更に奥様もいないので、子供たちの面倒も見なくてはならない。その上、あまり目上の役者さんとの共演があまりないような気がして。5月の團菊祭位では。
但し、この方には一人で切り開ける力や才能が半端ない。だから一人でもやっていけるのです。

先月見た揚巻、素晴らしかったけど、やはりまだまだ玉三郎さんには遠く及ばないと思うのです。それは経験を積むことで磨きがかかると思いますので、玉三郎さんのご指導のもと、また挑戦して欲しいです。
楽屋で白玉役の児太郎くんと色々話し合う姿が印象的でした。

この児太郎くんも、今年は飛躍しましたよね✨
今月の平成中村座夜の部は、弥栄芝居賑のみでしたが、女伊達で出番も少ないのに、色っぽさが半端なくてビックリしたもの。
更に9月の雪姫、そして来月に控える阿古屋。
まだ24歳なのに、この目覚ましい活躍。
著書「僕らの歌舞伎」で、30歳までに三姫のいずれかを、そして25歳までに阿古屋を演じることが目標、と書いてあったのですが、何と25歳を前にして両方達成したのだから、凄いです。
普段どちらかと言うと男っぽい風貌で、声も低めなのですが、女形のしつらえをするとたちまち色っぽくなるのは血筋かなと。
お父様の病気も1つのきっかけだったかもしれませんが、多分本人の努力と才能でしょう。
彼もいつか揚巻役者になることは間違いありません。あと、長三郎くんの相手お疲れ様です😆

長三郎くん、もう最高です。
彼は本当に勘三郎さんの生まれ変わりです。
偲ぶ会で、勘九郎さんが「父の面影はここ(長三郎くん)にも入っています」と言ってたけど、その通り。
勘太郎くんはパパ譲り、長三郎くんはおじいちゃま譲りなのかな、と。
七之助さんが、稽古ではわざとふざけてやっているとしか思えないと言ってたけど、その通り。
何回も注意しても直らなくて、稽古ちゅうなぜか嬉しくて笑ってしまう。そして、じっとしているのが苦手で、つい動いたり、足を掻いたりしてしまう。
でも、本番になると表情も変わり、じっとしているのだから。
あと、さすがに初日前日は緊張して眠れなかったと言うのだから、意外と繊細な所もあるのかな。
そう言う所もおじいちゃまそっくりだ😅
なんかね、勘三郎さんが長三郎くんを遠隔操作している気がしないでもない(笑)

お弟子さんたちの力もあって、中村屋は何とか頑張ってるな、と。
勘三郎さんはもちろん、小山三さんも草葉の陰から温かく見守ってるよ。
小山三さんの映像を見て泣きそうになったし、幼き七之助さんが浴衣をはだけて裸になってるのを勘三郎さんが隠そうとするのを見て、血筋って怖いなと思った(笑)今の姿を、20年後の長三郎くんが見たらどう思うだろう??七之助さんはかなり後悔してるようですが。

来年も、七之助さん奮闘の年になりそうですね。
1月は歌舞伎座、3月には舞踊公演の巡業、7月には中車さん愛之助さんと南座で公演。南座は少し気になってます。中車さんとのコンビは、納涼でおなじみになっていて、意外とイケてるので。
巡業は金沢に来るので、是非見に行こうと思ってます。
もちろん「いだてん」も楽しみにしてます。

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これまで写真立てには、歌舞伎座開場の頃の、勘九郎さん、七之助さん、2歳の七緒八くん(勘太郎くん)の3ショットの写真を飾ってありましたが、4人の写真に変えました。写真だけでは味気ないので、テディベア🐻も飾ってみた。
ここには写ってないけど、普段は「阿弖流為」の卓上カレンダーの表紙も飾ってあります。
あと、勘三郎さんの小さな新聞記事も。

これで今年の舞台感想は終わりです。
来年も素晴らしい舞台に出会えますように。
今度のお江戸遠征はいつだろう??
さすがに2ヶ月連続で出掛けたら金銭的にヤバくなってます😵💦
また地道にお金を貯めよう。

でもね…来年は有り難いことに地元で舞台が相次いであります。
ここ数年不作続きだったのですが、何故か来年はすでに2公演見に行く予定ですし、更に2公演情報をゲットしてます。そして七之助さんの舞台でしょ。
チケット代稼がなくては。

来年舞台三昧になるまでは、先日から取り組んでる課題に取り組む予定です。
それも多少歌舞伎が絡んでいるので、大変だけど頑張りたい。
私自身も一皮剥けないと。